犬日記

役に立つことは書かれていない日記

はじめてのクリスマスパーティ

帽子チョコ

夫の人の会社では毎年子供クリスマスパーティとやらを催してくれるそうで、先日、私も顔を出してきたのですが、初めて会社の方たちと顔を合わせる機会でもあったため、「アイプレイテニス」から伸び悩んでいる私の英語力での挨拶ラッシュに冷や汗と脂汗と変な汗を交互にかき続ける目に合いました。
フルマラソン走ってもかかないであろう汗の量に、数日後に迎えた本チャンのクリスマスでは風邪をひいて寝込むという形式美あるオチまでついてしまいましたが、とにかく無事生きて帰っては来られました。



それにしてもパーティと一口にいってはみても国が変わればやり方が違うわけで、雇われサンタのクオリティの高さといい、パーティー会場のおやつがカントリーマアムを4倍ぐらいにしたクッキーとフルーツのみという雑さ加減といい、銘々が好き勝手に食べるわ会場の博物館を見学するわくっちゃべっるわのフリースタイル具合といい、またもカルチャーショックの連続で・・・というより、なんというか想像していたクリスマスパーティとはちょっと違うような(不二家の息がかかってない土地だからクリスマス用のイチゴのショートケーキもないし)
唯一の救いは私がこの歳まで



「クリスマス? パーチー? マーケティングに踊らされるとは貧弱! 貧弱ゥ!・・・ん? 偏屈言ってないで楽しいからおいでよ? だが断る!」



とかいってめんどうな20代の過ごし方をしてきたお陰か、クリスマスパーティと名のつくものを一度も経験したことがないので比較対象がなく、多分これが一般的なクリスマスパーチーというものなのだろうと素直に受け入れる事に成功したことでしょうか。
なんにしろ娘の方はパーティーの数週間前から絵本や町でサンタの人形を見かけるたびに「いい子にしているとサンタさんがクリスマスにウーマ(馬)を連れて来てくれるよ」と呪いの如く散々吹き込んでおいたのが功を奏して、雇われサンタとも知らず輝きに満ちた目で握手をしてもらって喜んでいました、しめしめ。




(「こっ、これは、ほんもんのサンタさんやないか!」と驚く娘と若干やる気なさげな雇われサンタ)



サンタはどうやら3時間のパーティの間ずっと座ったままで、交代でやってくる子供にケインキャンディをあげたり写真撮影に応じたりしていたみたいですが、最後の方はお疲れのようでやる気なさげにノソノソと最小限の動きで労働をこなしている様でした。
そんな姿を観察しつつ「サンタだって疲れる時はあるさ、だって雇われ人間なんだもの」とジャパニーズポエマーみつをのセリフを思い浮かべつつ、親子ともども(夫の人も)生まれて初めて体験するクリスマスパーティなのでした。



チョコ写真。


帽子をかぶるチョコ。
かぶるというか無理矢理かぶらされているので、目が怒ってます。
昔なら


「チョコ〜、かーわゆすかーわゆす」


とおだてると「えへ、そう?」みたいに調子に乗ってくれたのに、おばあちゃんになってからというものどんどん偏屈ぶりが増してきていまして乗ってくれません。
犬も歳取ると面倒な性格になるみたいです。

ありのままのカナダ

ふてチョコ

カナダ来て早3カ月、今だ毎日豊富なラインナップで色々驚く事はありますが、近頃外を見るたびに驚いているのは



「欧米だってクリスマスに浮かれるじゃん!」



です。



だって日本ではよく聞く口上があるじゃないですか。
『クリスマスにこんなお祭り騒ぎをするのは日本ぐらいなもんだ、本場は家族で厳かに祝ってケーキを食べて教会に行くぐらいだよ、ふふふん』だのなんだの。
若干小馬鹿されてるような雰囲気漂うそんな迷信を長年あちこちで聞いていたせいか「ふーんそうなんだあ」となにも疑わずにこの歳になってカナダにやってきたら、どこの家でもクリスマスにちなんだ派手な飾り付けをしているわ、夜になると電飾でチカチカしまくってるわ、ひと月も前からスーパーではごちそう作りのための材料が特売になってるわ、まだクリスマスまで2週間もあるというのにそれらが60%OFFになってるわ、どう考えてもどんちゃん騒ぎをするための準備としか思えない雰囲気で街は包まれまくっています。それどころかどう見ても熱量が日本より高く戦闘力5万8千ぐらいです、やる気満々です。
むしろ「戦闘力たったの5か・・・ゴミめ」なのは我が家の方で、今だ家の整理に決着がついていないのとミニ怪獣が暴れに暴れてどんどん親のHPを削るので「どうせ1歳8カ月児の記憶になんて残らないし、ツリーは今年も無しにしよう(去年もめんどくさがってどうせ0歳時には〜と無しにした)」と早々と決めてしまい、通常営業の日々を送っています。
窓の外を指さし



「クリスマスの飾りならベランダからなんぼでも見れるからええんじゃ、ほれみてみいあっちもこっちもサンタとケインキャンディとトナカイだらけじゃ、あそこなんか巨大スノーマンもおるぞ!それにあっちの家は・・・・・・なんでミスター・ポテトヘッドとミニオンがコラボしてるのか謎の構成だけど、ま、まあにぎやかでええじゃないか、なあ娘や」



と振り返ると、お気に入りの乗り物にまたがりチョコを追いかけまわす娘の姿(そして逃げ回るチョコの姿)
こう人の話を全く聞いていない、というか聞く能力のなさを目の当たりにすると、遺伝子の脅威を感じずにはいられません。



それともうひとつ、去年日本で大フィーバー、今年はもはや定着している感のある『アナと雪の女王』こと『アナ雪』ですが、これも「本国より日本で大フィーバー」というのをよく見聞きしましたが、少なくともカナダで大フィーバーしております。
ところかまわず子供の出現しそうなエリアには必ずと言っていいほど何かしらのトラップグッズがしかけられていて、親の「心・技・体」が問われるデンジャラスゾーンと化しているあたり、これも日本より熱量が高いと言えるのではないでしょうか。
私は映画を見ていないのでざっくりとしか知識がなく、確か主人公は姉妹でアナとエルサ(雪の女王)ということぐらいしか記憶してないですが、どうやらエルサの方が人気のようで、グッズの9割はエルサ商品です。
ところどころで版権はどうなってるんだろうと思うようなニセモノ感漂うエルサを見かけるたびに、日本のテレビのいう事は本当にあてにならん!とつくづく思います。



チョコ写真。


進入禁止の畳ゾーンのヘリでブスッとしているチョコ。
娘と二人でそこで遊んでいると大変機嫌が悪そうなオーラをゆんゆん発しながら



「別にふててないわよ!寝てるだけよ!」



みたいな感じで寝たふりをします。
呼んでも目をつぶったままですが、耳が反応してるので起きているのがバレバレです。

チョコは柴犬(その2)

反りチョコ

自分が特別な犬を飼っているつもりがなかったことは前回の日記で長々と書き綴りましたがそれは見た目に限った話で、カナダに来る以前からチョコの性格は柴犬にしてはちょっと珍しいという認識は持っていました。
というのも今までお世話になった5つの動物病院全ての担当医さんから


「この子は・・・柴犬?」


と言われてきたからです。
「はい、柴です」と答えてもみな「おかしいなあ、そんなはずは・・・」みたいな表情、中には「本当に?」と、失礼を承知で聞くけど納得いかん!みたいな感じで念を押すように質問されたこともありました。
なぜ疑われたか飼い始めた1,2年の頃はよくわからなかったのですが、何度か動物病院へ通ううち、仲良くなった先生から事情を聴く事が出来ました。
それは『柴は主人には忠実で普段はとても大人しい犬ではあるけれど、その反面主人以外の人間には警戒心が強く、神経質なところもあるので治療する時は細心の注意が必要』ということで、つまるところそれは機嫌を損ねたり恐怖を感じさせてしまうと威嚇ごときでは済まないということ意味するわけで、その先生も治療中に何度もぱくりとやられたそうです。
しかも柴の忍耐強い性格が裏目に出るのか他の犬種と違いぎりぎりまで我慢してくるので威嚇行為がほとんどなく、いざ注射を打とうと手を伸ばした瞬間いきなり『ぱっくんちょ』とやられるとのことでした(多分、場合によっては『がぶりんちょ』ぐらいの威力もあったでしょうけど)
さらに飼い主さんの方も「まさかうちの大人しい犬が〜」と考えている場合が多いようで、痛みを伴う治療中の補填等をそういった飼い主さんにお願いするのも大変危険だとか。
決して悪気はないのでしょうが、普段が大人しい故、油断してしまっていて真剣にがっちりと補填しきれていない事が多く、そのためチクッとやった瞬間、張り詰めていた緊張の糸が切れてしまい我を忘れて大暴れ甘いガードをすり抜けぱくり・・・または普段見せない飼い犬の姿に驚いて思わず手を放してしまった飼い主さんもいるとかで、結局ぱっくんちょされてしまうとのことでした。
私も長く一緒に暮らしているので知っていますが、柴は元々猟犬でもあったため小型の割にでかい牙に強い顎、おまけに結構な身体パフォーマンスと体力が備わっているので、かなり興奮しきったチョコとの遊びの最中に何度か身の危険を感じた事があったぐらいです。
ですから動物病院の先生ともなるとどんな恐怖体験を、しかも何度経験した事やら。
「でも柴は可愛いからやっぱり好きなんですよね、実は僕も飼ってるんですよ」なんてニコニコしながら噛まれた時の話をする先生の話に耳を傾けながら、やっぱり大変な職業なんだなあと改めて考えさせられたものでした。


そんなわけで、注射を打たれようが、肉球を広げるだけ広げた上爪をチョッキンチョッキンされようが、お尻の穴に指や体温計を突っ込まれようが、耳の中に液体を入れられグリグリグリグリかきまわされようが、大きく口を開かされて歯をグイグイいじりまわされようが、エリマキチョコ!と言いながら顔の皮をびろーんと引っ張られようが(これをやるのは私だけですが)首にハンドル型コントローラーを当てられマリオカートごっこを強要されようが(これも私しかしませんが)鳴き声ひとつたてず、ただ静かに耐えているチョコの姿に、最初は



「今は大人しいけどそのうち威嚇かぱっくんちょが来るぞ」



と警戒していた先生たちも、時間の経過とともに



「・・・あれ?なんかすごく大人しいんだけど」



となって、さらには



「こんなの柴じゃない!」



みたいな(いやそんな不躾な言われ方をしたことはないですが)感じになるのでしょうか。
最後には「この子はどこで購入されたんですか?」とか「おかしいなあ柴は97%噛みついて来るんだけどなあ」とかいう先生まで。
みなさん大変なご苦労をなさっているようで・・・お疲れ様です。



当然チョコはそんな自分の性質を特別な事だなんて思うはずもなく、おばあちゃんになった今もふがふがいいながらのんびり寝たり、人におもちゃをぶつけてきては遊びなさいよ!と要求して来たり、そろそろご飯の時間なんだけどと膝に顎を置いてきたり、その割には「チョコおいでよ〜、なでなでしてあげるよ〜」だなんて優しい口調で呼びかけても「今そういう気分じゃないの」とでもいう風に片目でチラッとこっちを見やっては聞こえないふりをしてシカトするような毎日です。



(・・・・・・もしかしてチョコが柴っぽくないのは、ただ単に主人に忠実じゃないからなんじゃないの)



等という疑問が頭に浮かばないわけでもないですが、お互いのためあまり深く考えない方がよいだろうと思いつつ今日に至ります。



チョコ写真。


1年前のチョコ。
1年前もおばあちゃんでしたが、体の柔軟性はこの通り。
よくまあ寝違えたりしないもんだなと感心します。

チョコは柴犬

家チョコ

柴は日本犬の代表みたいな犬種なので、日本にいる時はチョコを特別な犬だなんて思った事は当然ありませんでした。
私は結構な田舎育ちなのですが、小さい頃は当り前のようにあちこちに野良犬がいて、たいていのやつらは多分柴の血がどこかに流れてるんだろうなあというような風貌をしていました。
ご近所で飼われている犬たちにしても柴か柴っぽい雑種が多く、たいていマズルが長く、耳は垂れたりピンとしてたりはしているものの伸ばせばみんな三角形、足には白い足袋を履き、尻尾はフサフサ、そんな犬たちがもっとも身近だったためか、大人になってから「犬」を思い浮かべるとどうやっても柴が最初に出て来るようになりました。


そんな私が長年飼いたかった犬をようやく迎える環境が整った13年前、当時住んでいたマンションの契約の関係で犬種がはっきりしている小型犬以外の飼育が不可だったため、なに犬を飼うか決めなければならなかったのですが、そんな風に犬のイメージが出来上がっていたためか雑種が引き取れないなら柴犬にしようと割と早くから決めていました。
本当のことを言うと、小さい頃から大型犬へのあこがれがあったのでドーベルマンとかシェパードを飼いたい気持ちはあったのですが、冷静に考えて初心者が飼える犬じゃないと思っていたので早々と諦め、その後もちょっぴりコーギーダックスフントの可愛さに浮気心がなかったわけではないのですが、やっぱりここ日本だし日本の風土に合った犬の中でいちばん身近なやつは・・・と考えると、結局は自分の犬ルーツともいえる柴になる(ちょっと消去法的な感じではありますが)ことに、ささやかな縁を感じたものでした。


そんな流れでチョコが私の元にやって来て、それから早13年近く経つわけですが、一度も自分がすごく変わった珍しい犬を飼っているなんて思った事はなく(性格はさておき)どちらかというと雑種を飼っている感覚で、見た目はいたって普通の「犬」だと思ってきました。
ところがどっこい、カナダでは(というか日本以外では)柴はとても珍しい風貌をした犬のようで、愛犬家が多いご近所を散歩しているとしょっちゅう話しかけられます。
一番多いのが「これはなに犬?」と犬種を尋ねてくる人、次に多いのが「これは犬?」とか「これは狼?」といった感じの「犬・・・なのかな?」的な質問をして来る人、3番目に多いのが「この犬は子犬?」とチョコの年齢不詳に疑問を呈してくる人、それぞれに「この犬は柴犬という犬種で日本ではポピュラーな犬です、けっこうなおばあちゃんです」と(夫の人が)答えるとみなさん一様に、



「ワァオ!グゥレイト!!ソォキュゥゥゥゥゥゥト、パピィ!!!」(いやだからおばあちゃんなんだって)



と派手に喜んでくださいます。
さすがは欧米人。想定通りのナイスリアクション!



さらには



「この犬は?・・・シバっていうの?かっこいいね、俺も飼いたい!」



とうらやましがる人や、犬に詳しいのかすれ違いざまに自転車に乗ったお兄さんに



「ワオ!シーバじゃねーか!賢くていい犬だね!」



とだけ叫んで通り過ぎていかれたことも。
どういう心境だったかまでは窺い知れませんが、犬が大好きだという事だけは伝わってきました。



相変わらず、家の外ではむすっとして愛想が悪いのでクールそうに思われがちなチョコですが、周囲に他の人(犬)がいない事を確認すると全力疾走でヒャッハー!と年も忘れて楽しそうにはしゃいでいます。
そんなチョコを見るのは飼い主としてもとても嬉しい事ではありますが、ペースを考えず走りまわった挙句息切れして疲れ果て、帰りの歩みが今にも倒れそうなほどよろよろするのは、私がひどいご主人のように思われるのでやめてほしいものです。



チョコ写真。


チョコアップ。
しかも家に着いたら元気に走り回ってまたはしゃいでるし。
元気なら帰り道もきりきり歩かんかい!

マッシュルームの話

ikuko22015-12-04

こちらに来るずっと以前から、この世にはバカみたいにでっかいマッシュルームが存在するという事は知っていました。
というのも、昔、『美味しんぼ』のどっかの回で出てきたからなのですが、それはそれはそれはそれはそれは美味しい!日本にはほとんど出回ってないけど海外ではでかい方が美味しいというのが常識さ!みたいに描かれていたため、「どら焼きも、イチゴ大福も、草団子も、もみじまんじゅうも(以下略)・・・ない国に行くのか、しょぼりんちょ・・・」と景気の悪い顔を年明けからずっとしていた私ですが、数少ないカナダ移住への景気づけのひとつとして、実は密かに楽しみにしていました。



(日本のスーパーでは鈴カステラくらいのサイズのものしか見た事がないけど、どれぐらい大きいのかなあ?小さいのとは比べ物にならないぐらい美味しいって漫画で描いてあったけど、どんな味なんだろう?・・・あ!食べるとどら焼き味とか!?・・・いや、イチゴ大福味かも)



なんてことを暢気に考えていました。
現物を見るまでは。
正確には、現物を買って2、3日冷蔵してから食べたほうがいいというアドバイスに従い、楽しみに寝かせている間に考えに考え抜いたシンプルにマッシュルーム本来の味を味わえそうなメニュー「マッシュルームのパスタ」を作るべく、いざ冷蔵庫から取り出し軸を取り除こうとしたその時までは。


いざ軸を取ろうとマッシュルームの傘をひっくり返した瞬間、生き物の本能というか、獣の本能というか、体の奥底から警戒レベル5のアラームが最大音量で鳴り響きました。
ひっくり返した傘の裏には、黒に近いゴゲ茶でビロードのようなヒダヒダが規則正しくびっしりと敷き詰められていて、その質感たるや食べられないとか腐ってるかもとかを超越した、「混ぜるなキケン!」的な何かを感じる様相を呈していました。



(・・・・・・落ち着け、落ち着け、素数を数えるんだ・・・2、3、5、7、11、13・・・って数えても解決しないよ!えーと、確か日本に合った小さいマッシュルームの裏も黒くなってたのを見たことはあったはずだから・・・んで、食っても問題なかったし、てことはこれも大丈夫なんだけど・・・大丈夫なんだろうけど・・・・・・・・・なに、このヒダヒダが今にも動きそうな活きのよさは!しかもでかい分ヒダヒダのひとつひとつが4Kテレビの画像の如く鮮明に見えるし、その鮮やかさたるや胞子の一粒単位まで見えてるような錯覚がっ!・・・とか感心してる場合じゃないっての!なんだこの脳の内部がかゆくなるような、じっとしているのが苦痛な感じは!これが最近の若者がよく使う「普通にきもい」ってやつ?・・・・・・うー、触るのをためらってしまう)



みたいな脳内格闘を10分ほどした後、21世紀の大発明スマートフォンで調べてみたら、ヒダが黒くなったのは熟成して美味しくなったからよ食べごろよ☆(超訳)と書かれていたので、心眼で見たら気のせい心眼で見たら気のせいと100回ぐらい唱えてから、えいっと一刀両断にしてやりました。
私は一度脳の感じ方の整理がつけば大抵の事は気にならなくなる性質なので、その後はこのヒダ触るとふかふかして意外といい!とか思いながら、バスバス切り刻んでパスタにして食べました。



肝心の味の方は、確かに小さいものよりコクがあってジューシーでパスタもうまいっちゃうまかったのですが、なんとなく主役の味ではないようなと思ったため、その後は煮込み料理のコク出し用によく使用するようになりました。
そんなわけで、これぞでかいマッシュルームの美味しさだ!みたいなものはまだ発見できていないのですが、適当にINするだけで料理の味に勝手に深みが出るので、便利なきのこだなあと重宝しています。



チョコ写真。


犬の乗り物で家中を暴走し、ところ構わず衝突する(というかして来る)ミニ怪獣を「なんとかしなさいよ!」と抗議するチョコ。
私だってなんとかしてほしいよ。

思えば遠くへ来たもんだ

チョコとミニ怪獣

日本から日本への引っ越しは11回経験したので慣れていましたが、外国に引っ越すのは生まれて初めての事なので(しかも1歳児付き)確実に大変なんだろうなあと覚悟はしていたつもりでした。
が、想像以上に想像を超えて大変でして、例えるなら弾の残数が制限されている上タイムリミットが設定されていて、さらにゾンビ増し増し当り判定セマセマみたいな無理ゲーぶり、ゲームならコントローラーを叩き割っているところですが、ゲームじゃないのでひたすら作業を進めるしかありません。
初めての育児に振り回されっぱなしの日常に引っ越し作業が降ってわいたのですから、しんどいのは当たり前、その上前日になってもほとんど引越し作業をしていなかった事と、業者に梱包を全部お任せする引越しが思ったより全然お任せじゃなかった事と、重量的にも法的にも持っていけない物が想定よりかなり多かった事と、一気に片をつけようと引越し作業の翌日に出発した事とかが相まって、上へ下へななめ横への大騒ぎ。
終わるかなあを連呼しながら困り果てる夫の人に



「あっ、いいこと思いついたよ!行くのやめるってどうかな?」



と何度提案したことやら(そして何度怒られた事やら)



手荷物の詰め込み、粗大ごみの整理、普通ゴミの整理、チョコのペットホテルの確保+引き取り、娘の面倒+昼寝のため前日からホテルの確保+作業を中断してホテルへ移動、ガス電気水道を止める処理、マンションの鍵の引き渡し、その他諸々の作業を二日間でやりきったわけですから、それはそれは大変でした。

中でも一番大変だったのが荷物の送付で、当座使う物のセレクトに加え、船便、航空便ともにとにかく禁止事項やルールがとても多いのです。
船便に関しては食品は全滅、アルコール類もダメ、スプレー缶類ダメ、畳ダメ、化粧品類も量が多いとダメと、書き出し始めたら枚挙にいとまがありません。
でもアルコールやスプレー缶なんて常識でしょ〜ちょっと考えたらわかるでしょ〜?ぷぷっ!と鼻で笑ったそこのあなた、それぐらい私だってさすがにわかります、ポイントはそこじゃなくて意外なものにそれらの成分が含まれていたり、区分されていたりする事なのです、ムキー!
アルコールについてはまず除菌系のグッズは幾つか引っかかりますし、我が家で愛用している液体歯磨き、それから虫よけや虫さされの薬などもひっかかりましたし、化粧品などは買い置きしていた分をどうしたらいいのやらみたいな感じで、意外なものが意外な形で引っかかるのです。
そして食品に関しては、船便が使えない以上、航空便(というか自分たちの手荷物として)持っていくしかなかったのですが、大人は黙ってステーキ焼いてポテトでも付け合わせて食っとけ!ということでさておき、1番好きな食べ物が納豆、その次は焼き芋、次点で豆腐ハンバーグとおひたしと炊き込みご飯!味噌汁はいりこ出汁で具はオクラがいいわ!という1歳児らしからぬ渋好みの娘の分は、カナダで手に入りそうにない、且つ、手作りもできそうにない離乳食用食品を大量に運ばねばならなかったため、これにもかなり四苦八苦しました。
結局、私たちが長期留守中にいつも泊まり込みでチョコの面倒を見てくれていた友達にお願いして、引越しの手伝い兼チョコの面倒をみてもらう兼観光という事でカナダまで着いてきてもらい、娘の席も一人分にして4席分の航空券代を支払い、計126kgまでOKな貨物量を確保し持っていけるだけ持って行ったのですが、これが本当に大変でして、大きいスーツケース4つに小さいの3つ、その上段ボール箱(大)3箱、さらに大型犬用ケージに納まっているチョコ、とどめは荒ぶるミニ怪獣。
これらの荷物(と生き物)を大人3人でなだめながら運んで移動ですから、トロント空港に着いた時は死んだ魚の目になっていましたし、新居まで移動の車中では出たり入ったりしていたエクトプラズムが、到着した頃にはすっかり鼻から抜けきってました。



精神的にも肉体的にも限界を超えて疲れ果てたのですが、それがどのくらいかといっても筆舌に尽くしがたく、人生であんなに疲れ果てたのは、親に内緒で1年前期の時点で大学を留年してしまった事がばれてヨシコが鬼モードで来襲した時と、気がついたら季節が3つぐらい過ぎていて久々にコンビニまで歩いたら筋肉痛になったほどゲーム三昧だった時と、納期が間に合わなさそうで1週間会社に缶詰でデバッガをやらされた時ぐらいだなあ・・・って結構あるがな!(どれも二度と体験したくはないですが)


それはさておき、こうやって日記を書くために3か月前の移動を思い出すだけでもどっと疲れるわけで、2度とあんな目に合いたくない!というか2度とやらん!と心に固く誓った私は、夫の人に



「もうあれと同じ事やるのは絶対に嫌だからね、チョコが天国に行ってミニ怪獣がサルからヒトに進化するまで、クビにでもなったら死あるのみ!」



と強く言って聞かせてあります。
そんなわけで腰据えて生活すべく、私の英語力も「アイアムナンシー」から「アイプレイテニス」にまでは上達しました。
2016年までにはマンションのエレベーターで乗り合わせた時の緊張が少しでも緩和するといいなあと思います。



チョコ写真。


ミニ怪獣と戯れるチョコ。
近頃はお互いにいい退屈しのぎになると思っているようで、よく一緒に遊んでいます。
しかしまだまだ知能はチョコの方が上のようで、おもちゃをただただ無鉄砲に引っ張る娘がすっ転ばぬよう、チョコは力を加減しながら引っ張ります。
犬って本当に空気読むよなあと感心させられる時です。
夫の人もチョコの爪の垢を煎じて飲むといいと思います。

2015年も終わりが近づき

ikuko22015-11-24

3年ぶりにこんにちは、21世紀に入って早15年、イクコ・ザ・ワールド17歳!今年も相変わらずだらしない生活ぶりですが・・・とか言ってる場合じゃないイクコ先月で40歳、娘が1歳7カ月になりましたINカナダでございます。
先日、「年賀状?めんどくさー」な私に、律儀にも毎年毎年年賀状をくれる3人のうちのひとりへ5年ぶりにメールで


「久しぶり〜、私は去年子供を産んで、先月カナダに引っ越してきたよ、まだ荷物が整理できてなくて住所録がみっかんないからとりあえず住所教えて。メープルシロップ送るから、他にろくなものがないし」


と連絡すると


『え?ごめん意味が分かんない、事件が多過ぎて理解できない』


とだけ書かれた返事がきました。
そうでしょうともそうでしょうとも、私にだって訳がわからないです。だからとりあえず住所教えて。


そんなわけで私は先々月、夫の人の仕事の都合でトロントから1時間ほど行ったところにあるとある街に引っ越してきました。
生活ぶりはと言いますと、東京のど真ん中からカナダの田舎に来たわけですから、カルチャーショックの連続である事は言うまでもなく、時間の流れ方までも違うように感じる日々、人々も大らかで気が長くて親切、そしてとても雑です。
一度たりとも時間通りに事が運んだためしがなく、午後3時の約束は午前11時に、午前10時の約束は午後2時半に、雨の日の約束はなかった事にといった感じで、まったく悪びれることなくニコニコしながら約束の時間外にやって来て(時には来ないことも)親切丁寧かつアクティブに(そして謝罪はない、だって悪い事じゃないから)対応してくれます。
こんなにいい人達なのに・・・先進国なのに・・・なのにどうしてカメハメハルールなんだろう・・・てかここはチリか!キー!と、行き場のない複雑な乙女心を抱え、どうすればいいのやら困り果てる私を余所に、カナディアンたちは英語でなおも話しかけ続けて来ます、まったく心が通じ合う気配を感じられません。

その上周りは外国人だらけ(いやここでは私が外国人なのは重々承知してはいますが、それでもね)英語しか聞こえてこないし(当り前じゃ!)まだ11月なのにもう雪が積もってるし(カナディアンに言わせるとこんなの始まりの始まりらしいけど)てか雨でも約束をなしにされるような土地なのに、雪とかどうなるのよ!まさか連絡もつかないとか?・・・嗚呼。この先こんな事でやっていけるのだろうか・・・とよろよろ倒れて思い悩もうものなら、光の速さで1歳7カ月のミニ怪獣が腹の上に馬乗りになってきて


「おかーやん、なにさぼっとんじゃ!遊ばんかい!」


とでも言いたげに、ドスドス跳ねて無慈悲な攻撃をして来ます、思い悩むような贅沢は許されておりません。
ああ、あの時間をつぶすように過ごしていた究極のだらしない貴族生活、あの静寂は・・・あのだらーっとした悠久の時は何処に…、しかもなんでこんなミニ怪獣にトランポリンにされにゃならんのじゃ、わしゃボクサーと違うん…グハッ!やめんかみぞおちに乗るのは!このガキャあ、ええ加減にせんといわっしゃげるぞ!みたいな日々を送っております。
もう今日が昨日なのか明日なのか今日なのかさえもわからない忙しさ加減です。


そんな生活ではありますが、ミニ怪獣が眠った静寂のひと時に、ベランダから見える銀世界をチョコと眺めつつ


「チョコや、ずいぶん遠くまで来たねえ」


と、日本茶をすすりながらつぶやく毎日でもあります。
このペースで遠くに行き続けるなら、10年後は火星で有機野菜でも作ってるんじゃないか、その傍らにはサイボーグチョコかiPSチョコがいるんじゃなかろうかと思う今日この頃です。




チョコ写真。

洗濯物の上で寝るチョコ。
引越しの際に古くなったチョコベッドを処分してしまったのですが、まだひとつしか買ってあげていないベッドは寝室にあるため、リビングではちょっと不便なようです。
少しでも床に置きっぱなしにすると寝られるので、我が家の服はいつもチョコの毛まみれです。