うっ…。
赤紙が来てからひと月とちょっと。
行かなくちゃ行かなくちゃ…と思っていた歯医者にようやく行ってきました。
私が通っている歯医者は私の従兄弟の友人がひとりで経営していまして、治療から会計まで大変無愛想な従兄弟の友人とマンツーマンでやり取りをしなくてはならないという、なんともスリリングな時間を味わえる歯医者です。
無愛想というのは正確には語弊がありまして、一応親切ではあります。
治療に付いて疑問を感じた時に質問をしても丁寧に答えてくれますし、聞かなくても今はこんな治療をしてますよとか、ちょっと痛いから我慢してくださいねとか言ってくれるので、治療についてはあまり不安を感じないのですが、話し方がクールというかニコリともしないというか、要は不必要に愛想を振り撒かない無愛想加減なのです(強いて言えばメカっぽいです)
そんなわけですから通院し始めの頃は、無愛想で無口なくせに唐突に
「そういえば昨日○○君(従兄弟の名前)と飲みに行きましたよ」
とか、
「あれ富士山なんですよ(治療台から見える窓の遠くの方を指差しながら)」
とか言い出し、私の心臓をビクビクドキドキさせるこのメカ沢先生がとても苦手だったのですが、慣れてくるにつれ段々と話のテンポやコツが理解できるようになり、それからはとても好きになりました。
ある時は
『先生、どうして銀紙って歯でかむとビリッっとするんですか?』
と、治療中に突然聞いても、無表情で
「それはね噛んだ時に摩擦で電流が発生したのが、歯茎の下の神経を刺激するからだよ」
と即答してくれ、またある時は
『先生が虫歯になった時はどうしてるんですか?』
と、会計中に突然聞いても、無愛想に
「鏡を見ながら自分で治しますよ、こだわりを持ってますから」
と、静かに熱く語るメカ沢先生、腕も面白さもいう事ありません。
ただひとつお願いするとするならば、治療中に突然
「あー…きちんと磨けてませんね」
と、呟かれるとあまりの恐怖に『うっ…。す、すみません…。』となるので呟き攻撃は程ほどにして欲しいです。