犬日記

役に立つことは書かれていない日記

ふさふさするモノ

ikuko22016-01-15

私は冗談抜きでかなり怖がりな性質だと思うのですが、その話をするとたいていの知人は「今度は一体何を企んでいるのだろう」みたいな目をして訝しがったり、場合によっては嘘だ!本当だ!の場外バトルに発展する事もあるので、普段そのことはなるべく言わないように心がけて生活しています。
しかし私の認知に歪みがないのであればかなり怖がりな方だといっても間違いないレベルで、お化け屋敷や怪談話、暗い場所や得体のしれない気配や音は大変苦手です。
断っておかないといけないのは、決して何かが見える等の体質というわけではなく、今まで一度も怪奇現象に見舞われた事はないのですが(というか見えていたら逆にここまで拗らせなかったと思うのですが)会えないが故惚れた腫れたと気持ちが募るのと同じく、見えないが故に恐怖心というやつはどんどん募っていくようで、30歳あたりまで年々重症化が進む一方だったこともあり、当時は自分で自分が心配になるほど結構真剣に危惧していました(そんなことより他の懸念事項の方がよっぽど重症だと周りからは言われていましたがよく聞こえませんでした)



転機が訪れたのはチョコがうちにやって来た事で、それまで聞いたこともない気配や音を奏でる存在に、慣れるに連れ私の心と体もどんどん雑になっていったようで、次第に夜中に突然始まるチョコの「スピスコー、スピスコー・・・・・・スピ?スピスコー」という、途中疑問形になってたのはなんでやねん!ないびきや、こちらが熟睡中に「ぐむむむ・・・ワンッ!」などと大音量で寝ぼけて吠えられても


「うるさい、チョコっ!」



と即座に怒鳴り返したのち、間髪いれずにグースカピーと再び深い眠りに入れるほどの回復ぶり。
ただただ愛らしさを求めて飼った犬にまさかこんな効能があるとは(そして当初の目的の愛らしさがまさかこんなにもずれた犬だとは)思いませんでした。



そんなわけで家の中で聞き覚えのない気配や音がした時は反射的にチョコのせいだと思う癖がついたため、先日昼下がりの読書中、ベランダのあたりでフサフサと動く気配を目の端に捉えた時も



(チョコめー、まーた余計な事しとるんかいな)



とうっすら思いながらもすぐに本の方へ意識を集中しそうになったのですが、よく考えたら外はマイナス10℃の雪景色、おまけに二重窓がぴったりしまっているベランダになぜチョコが?という事に気が付き慌てて外をよく見てみると、フサフサの正体はリスでした。




(・・・ん?)



(よく見るとチョコにしては小さいし、チョコにしては動きがラブリー)



この辺では野良リスは珍しくないのですが、5階にある我が家のベランダで見るのは初めてですし、撮影後、隣のベランダへ逃げて行ったと思ったら、その後やたら行ったり来たりウロウロしていたので降りられなくて困っていたのではと思うと、ベランダでの遭遇は珍しい出来事だったのでしょう。
リスはうちと隣のベランダを何度か往復した後居なくなったので多分無事に地上に降りられたのだと思いますが、この寒空の下野生の生き物は大変だなあと、暖房の前で丸くなって動こうとしないチョコを見ながら複雑な気持ちになる小さな出来事でした。





チョコ写真。
新しいベッドをやっと購入してもらったチョコ。
低反発が慣れないのかまだ警戒中、多分そのうち慣れてフガフガ眠る事でしょう。