チョコがモテる場所

チョコはお世辞にもかわいい顔をしているとはいえません。
柴犬にしては大きいし黒くて目が小さく不細工なのに表情もぶすっとしているので、夕方の公園に連れて行っても子供たちはほとんどチョコには寄ってくることはなく、可愛いチワワやダックスフントに群がります。
おまけに家の外での愛想のなさといったら天下一品で、稀に「ワンちゃん触っていいですか？」とチョコを指名してくれる奇特な子供が手を差し伸べても、喜ぶどころか「今触られる気分じゃないの」とでも言いたげな表情でスーッと身をかわし、一定の距離を図った後は知らん振りして遠くを見つめているばかり、性格にも大きな難ありです。
そんな無愛想&不細工犬チョコなのですが、意外にも動物病院では人気が高く、特に先生たちからは大歓迎されています。
というのも愛想はないもの、チョコは常に人間にどんな事を強要されても忍耐強くじっとしているので、治療するのにこれほど楽な犬はいないみたいなのです。
先日も奥歯が斜めにかけてしまい歯の表面から髄液が漏れて来たため、全身麻酔をして処置をしてもらったのですが、歯をグリグリされてもじっと我慢、長時間の治療のため病院に置き去りにされてもじっと我慢、麻酔のために両前足を毛刈りされる時もじっと我慢、麻酔用の針を刺されてもじっと我慢と、なにをしてもじっとしているので助かりますと感謝されました。
麻酔から目が覚めて迎えが来るまでの間も、他の入院動物がオイオイ、ワンワン、ニャーニャー鳴いている中で、ひとりじっと我慢していたそうです。
あまりにも褒めてくださるので

『いえ･･･うちのは大人しいだけが取り柄で･･･』

と私が言うと、柴は飼い主以外の人が触ろうとするだけで歯をむく子や、我慢してるのかなと思っているといきなり噛み付く子もいるので、病院としては本当に助かりますとのことでした。
そういえばどの病院に行っても「本当に大人しい子ですねえ」と言われていたけどあれって褒め言葉だったんだなあと今更ながら気がつきました（てっきり元気がないと遠まわしに言われているのかと思っていた）
所変われば品変わるというけれどこんなチョコでもモテる場所があるんだなあと思うと同時に、じゃあ私のモテる場所はどこなんだろうと病院へ連れて行くたびに考えてしまいます。

チョコ写真。
ドアップチョコ。
ファインダーを覗きながらチョコを探していると、いきなり目の前に現れてびっくりしました。
我が家のデジカメももう５年。
そろそろ手ブレ防止付で連写出来る新しいのが欲しいです。