犬日記

役に立つことは書かれていない日記

犬にダイア

ikuko22007-03-08

佑太の仕事はカテゴリー分けすると宝石商ということになるのですが、正確にはダイヤモンドを中心とする宝石類の問屋で、海外にしょっちゅう出掛けては石を買い叩き、小売をしている業者さんに卸す仕事をしています。
仕事柄、商売道具のダイヤモンドなどを自宅に持って帰ってくることも多く、宝石類を見せびらかしては



「すごいでしょ!今日俺が落札したやつ、ほらみてみて〜」



と押し付けてきます。
正直、私は貴金属にまったくもってこれっぽちも興味がない上、たいていの場合読書に熱中していたりゲームに熱中したりしている時にやられるため非常に迷惑しているのですが、視界に入れないことには見てちょコールがやまないので、チラッと視線を傾けては



『・・・ふーん』



と興味なさげにいい、また読みかけの本ややりかけのゲーム画面に視線を戻すわけです。
先日も佑太は親指ぐらいの大きさのダイヤモンドを持って帰ってきたのですが、どうやらそれは本当にいい品だったらしく、いつもの調子でスルーしてると珍しく拗ねだし、ちょっとぐらいきれいだなとかいってくれてもいいじゃんとぶつくさ言いながらダイアをチョコに向けたので、何をしているのかと見ていると



「チョコ〜見て見て!すっごいきれいでしょ〜」



とチョコに自慢し始めました。
呆れながらもチョコの反応を見ていると、目をまん丸にし首をかしげて興味深げにジーッと見ている様子。
それに気をよくした佑太はもっとよく見せてやろうと、ダイヤを乗せた手のひらをチョコの前に差し出したのです。
ちなみにチョコは手のひらに乗せて差し出されたものは自分に献上された品だと思っているので、案の定、差し出されたダイヤを食べようと、ペロッと舌を出したのですが、間一髪で佑太が



「ひぃー!や、やめなさいっチョコ!」



と慌てふためきながら引っ込めたのでひとなめした程度で済みましたが、あとコンマ数秒遅れていたら確実にゴックンされたことでしょう。



『犬がダイヤをきれいだなんて思うわけないし、だいたい興味あるわけないでしょ』



と馬鹿にした顔で私がいうと



「うるさい!チョコは賢いからわかるんだよ」



と、逆切れしてわけのわからないことをいいながら、ひとなめされたダイヤモンドを磨いていました。
どうせなら食われていた方が面白かったのにと思った出来事だったのですが、以後、我が家に宝石が持ち帰られることが激減したのはいうまでもありません。



チョコ写真(前回の続き)
追い詰められたチョコはボールを咥えて逃走しました。
大きなサッカーボールを何とか咥えながらちょこまか逃げはしてみたものの、走っていると息が苦しくなり、口が半開きになった途端ボールは斜面を転がり下で写真撮影をしていたQBにキャッチされてしまいました。
「あっ、取られたっ!」という悔しそうなそぶりをしながら、必死に取り返しに来る姿がとても可愛いかったです。