犬日記

役に立つことは書かれていない日記

がびょーんという擬音を出来事で表すと

がびょーんチョコ

家人がみんな出払っている時、チョコは玄関からリビングへと伸びる約3mの廊下に、お気に入りのベッドと色とりどりの玩具に囲まれいつも留守番をしています。
留守番スペースは常に電気を付けっぱなし(夏ならクーラーも付けっぱなし)にしているという非エコな環境なため、帰って来てまず目にするのは、二足歩行で歓迎の舞を踊るチョコか、寝ぼけ眼で腰をツイストするチョコか、おもちゃを口に咥えながらグルルルル…ウゴゴゴゴォと唸るチョコのいずれかで、つまるところ我が家に帰った人間がまず目にするのは帰宅を歓迎するいずれかのチョコというわけなのです。

今日も近所のスーパーから帰宅した私がまず目にしたのは勿論チョコだったわけですが、夕刻の薄暗くなりかけた外から明るい家の中に入り、ただいまと声をかけながらチョコを見るとおかしな顔に変形しているのです。
顎がパックリと開きっぱなしになって、顔の面積は倍ほどにもなっています。
その姿に思わず


「チョコッ!?どうしたんっ!その顔っ!!!」


と、半ば叫ぶような声でスーパーの袋を放り出し、慌ててチョコに駆け寄ると、次の瞬間



ドスッ、ゴン、ゴロゴロゴロ



みたいな音がすぐ足元でしました。
驚いて見てみると、それはチョコに玩具として与えていた硬式野球ボールで、それをどストライクな角度で咥えていたため顎がパックリ開いて見えただけだったのです。
緊迫した空気の中、廊下の果て目指してコロコロと平和に転がり続けるボールを見つめながら、人はこうやって加齢とともにとぼけた脳みそになっていくのだろうかと、母ヨシコを思い出さずにはいられない出来事でした。



チョコ写真。
ボールと同化するチョコ。
この口元や胸の白い毛の部分と、白いボールがうまい具合にフュージョンしてました。
薄暗い外から明るい部屋にいきなり入ったから目が慣れてなかっただけだと思いたいところですが、最近占屋さんの看板の「占」の文字を見て、何の疑問も持たずに


「なんでうちの近所にトロ屋があるんだ、っていうかトロ限定のお店ってなんだ…?」


と、かなりの時間を世に存在しないトロ屋についての思索に費やしてしまった事を思い出すと、ヨシコから受け継いでいる遺伝病が発病したと考えるほうが自然かもしれません。