犬日記

役に立つことは書かれていない日記

疲労困憊

不機嫌チョコ

毎年、夏の暑い盛りには急激な体力の減退を引き起こすので、延命治療を理由にクーラーをつけっぱなしにして引き籠る私ですが、このところはますます・いっそう・一段と体はダル重く、ベッドから起き上がることすら困難な日々を送っています。
もうすぐ死兆星も見えそうなこの体力の減退具合は、節電のためクーラーを我慢しているせいではなく、我が家に来た新手の黒い刺客が(旧刺客は言うまでもなくチョコですが)私に変な魔法をかけて呪いの踊りから解き放ってくれないためです。
あの日あの時あの場所で、キャンペーンガールとかいうくノ一に捕えられなければこんな目には合わなかったのですが、気がつくと緑のバッテン紋様が刻印されている不思議な黒い箱を手にし、いつもなら立ち寄るあんみつ屋の前すらスルーして家路を急ぎ、何か見えないモノに突き動かされているのを感じながらも、帰宅後すぐ我が家のテレビをいじくるのをやめられなくなってしまったのです。
複数の黒い紐をテレビにつなぎ終え、銀のボタンを押すと、フオ〜ンとかいう怪しげな音とともに画面には緑のバッテン紋様がデカデカと映し出され、それと同時に三つの目玉が私目掛け、ウインチョウインチョ言いながら追尾してきます。
こ、これは新型兵器に違いない!きっとあの赤く光っている目玉から呪いをかけるんだ!と思った私は、もがく様に両手を振り回し抵抗を試みたのですが、時すでに遅く、シャッター音とともに画面にはとらえられた私の映像が一人スライドショーを始め、断りもなく『画像を保存しました』と一方通告してきます。
恐ろしい…こうやって善良な市民の画像を集めた挙句、それを理由に恫喝し、人々を意のままに支配しようというのだな…、これが監視社会の最終形か!宇宙人を待つまでもなく人類はメカに滅ぼされてしまうのか!と恐怖に慄いていると、呪いの箱に封印を解く呪文をかけろと強要され、既に抵抗する力を失った私は緊張を帯びた震える声で滅びの呪文を叫びました。



「えっくすぼっくすっ! きねくとっ! でぃすくをぷれいするっ!」



そんなわけで、このところの私は毎日毎日来る日も来る日も過ぎた日も去った日もマイクロソフトの最終兵器XBOXの更なる進化系兵器『kinect』で遊んでいます。
噂には聞いて知っていたのですが大して面白そうなソフトがなかったのもあり、すっかりその存在を忘れていましたが、アキバのヨドバシでキャンペーンガールのお姉さんに捕まってしまったのが最後、あまりの面白そうなオーラに即購入してしまいました。
ソフトは『Dance Central』だけしか購入しなかったのですが、これがもう本当に面白くて、節電のためクーラー抜きな上南向きで西日までばっちりという超日当たり良好な灼熱地獄のリビングで1日中踊り狂っています。毎日疲れるのも当然です。
kinectについての説明は今更なので省きますが、操作感も良好ですし、このスペックで驚きの低価格、なんでこれが日本で流行らないか不思議なぐらいよく出来ています(ただドスドスするし、部屋が狭いと反応が狂うみたいなので一人暮らしの人には向いてないかもしれません)
コントローラー無しでゲームが出来るのもすごいですが、本体を操作する時ですら声で命令し手で空を切り操るこの感覚、まさに私が思い描いていた21世紀。車はまだ空を飛ばないし、人々は銀色の宇宙服を着てはいないけど、kinectスマホがあるから21世紀と認めてもいい、そう思わせる近未来っぷりです。
しかしゴールデンアックスコラムスに明け暮れた青春時代は元より、ぴゅう太MSXでシコシコとプログラムをカセットに入れていた時代にはこんなゲーム機が出来るとは想像もつきませんでした。
こりゃそのうち脳にプラグ差しこんで、スーパーリアルバーチャロンとかリアル『BREAK-AGE』もそう遠い未来ではないのではないかと期待してしまいます。
ばーちゃんになるまででも待てるので、死ぬまでに1回はプレイしてみたいです。



チョコ写真。
静かに抗議するチョコ。
kinectが来てからというもの、リビングから追い出されっぱなので最近機嫌が悪いです。
というのもkinectは動くものをロックオンするので、私が踊っている前をチョコが横切ると誤作動を起こすため、ダンス中は廊下へ追い出されてしまいます。
kinectを起動しようとすると写真みたいにブスッとして怖いです。