犬日記

役に立つことは書かれていない日記

チョコは柴犬

家チョコ

柴は日本犬の代表みたいな犬種なので、日本にいる時はチョコを特別な犬だなんて思った事は当然ありませんでした。
私は結構な田舎育ちなのですが、小さい頃は当り前のようにあちこちに野良犬がいて、たいていのやつらは多分柴の血がどこかに流れてるんだろうなあというような風貌をしていました。
ご近所で飼われている犬たちにしても柴か柴っぽい雑種が多く、たいていマズルが長く、耳は垂れたりピンとしてたりはしているものの伸ばせばみんな三角形、足には白い足袋を履き、尻尾はフサフサ、そんな犬たちがもっとも身近だったためか、大人になってから「犬」を思い浮かべるとどうやっても柴が最初に出て来るようになりました。


そんな私が長年飼いたかった犬をようやく迎える環境が整った13年前、当時住んでいたマンションの契約の関係で犬種がはっきりしている小型犬以外の飼育が不可だったため、なに犬を飼うか決めなければならなかったのですが、そんな風に犬のイメージが出来上がっていたためか雑種が引き取れないなら柴犬にしようと割と早くから決めていました。
本当のことを言うと、小さい頃から大型犬へのあこがれがあったのでドーベルマンとかシェパードを飼いたい気持ちはあったのですが、冷静に考えて初心者が飼える犬じゃないと思っていたので早々と諦め、その後もちょっぴりコーギーダックスフントの可愛さに浮気心がなかったわけではないのですが、やっぱりここ日本だし日本の風土に合った犬の中でいちばん身近なやつは・・・と考えると、結局は自分の犬ルーツともいえる柴になる(ちょっと消去法的な感じではありますが)ことに、ささやかな縁を感じたものでした。


そんな流れでチョコが私の元にやって来て、それから早13年近く経つわけですが、一度も自分がすごく変わった珍しい犬を飼っているなんて思った事はなく(性格はさておき)どちらかというと雑種を飼っている感覚で、見た目はいたって普通の「犬」だと思ってきました。
ところがどっこい、カナダでは(というか日本以外では)柴はとても珍しい風貌をした犬のようで、愛犬家が多いご近所を散歩しているとしょっちゅう話しかけられます。
一番多いのが「これはなに犬?」と犬種を尋ねてくる人、次に多いのが「これは犬?」とか「これは狼?」といった感じの「犬・・・なのかな?」的な質問をして来る人、3番目に多いのが「この犬は子犬?」とチョコの年齢不詳に疑問を呈してくる人、それぞれに「この犬は柴犬という犬種で日本ではポピュラーな犬です、けっこうなおばあちゃんです」と(夫の人が)答えるとみなさん一様に、



「ワァオ!グゥレイト!!ソォキュゥゥゥゥゥゥト、パピィ!!!」(いやだからおばあちゃんなんだって)



と派手に喜んでくださいます。
さすがは欧米人。想定通りのナイスリアクション!



さらには



「この犬は?・・・シバっていうの?かっこいいね、俺も飼いたい!」



とうらやましがる人や、犬に詳しいのかすれ違いざまに自転車に乗ったお兄さんに



「ワオ!シーバじゃねーか!賢くていい犬だね!」



とだけ叫んで通り過ぎていかれたことも。
どういう心境だったかまでは窺い知れませんが、犬が大好きだという事だけは伝わってきました。



相変わらず、家の外ではむすっとして愛想が悪いのでクールそうに思われがちなチョコですが、周囲に他の人(犬)がいない事を確認すると全力疾走でヒャッハー!と年も忘れて楽しそうにはしゃいでいます。
そんなチョコを見るのは飼い主としてもとても嬉しい事ではありますが、ペースを考えず走りまわった挙句息切れして疲れ果て、帰りの歩みが今にも倒れそうなほどよろよろするのは、私がひどいご主人のように思われるのでやめてほしいものです。



チョコ写真。


チョコアップ。
しかも家に着いたら元気に走り回ってまたはしゃいでるし。
元気なら帰り道もきりきり歩かんかい!