犬日記

役に立つことは書かれていない日記

女子という生き物

ひなあられチョコ

チョコは数々の邸宅や別荘を所有しています。
リビングにはチョコハウス、寝室にはチョコベッド、廊下にはチョコソファーとなかなかの不動産王っぷり。
気温が高い日にはひんやりした廊下のソファーで、静かに一人の時間を過ごしたい時は寝室のベッドで、と、その時々の気分によって好きなところで生活をしています。
年中リビングのソファーで過ごす私からするとなんちゅうセレブぶりじゃ、一回山の中に置いてきてやったらどんな反応するか試しちゃろかいな?なんて事をついつい考えてしまうほど優雅で気ままな生活を送るチョコですが、よく観察してみると必ずしも3つごときの邸宅ではすべての生活をカバーできているわけではないようです。

今日も音量30という軽い騒音レベルのボリュームで、録画してあった「ハーバード熱血教室」を視聴しつつ「でたっ!サンデル名物、君の名前は!」とか騒いでいると、その横ではハウスで眠るチョコが不愉快気に何度もゴソゴソ寝がえりを打っています。
通常その材質と形状からハウスは体を休めるには適しておらず、チョコもゆっくりしたい時には使用しないはずなのですが、どうも何かしらの理由のためその場所を使わざるを得ないらしく離れようとしません。
そのくせ居心地が悪いのも嫌なようで、テレビ視聴の合間に視線を傾けてやると、待ってましたと言わんばかりに眼と眼があったらミラクルな状態になり、そこには「空気読んで」と書かれています。
そんなわけでポクポク、チーン!してみた結果



(そうかそうか群れ社会の生き物としてボス(私)と同じ空間で、且つ快適に眠りたいんだな)



ということを察した私は、気づかれぬようそっと廊下に行ってチョコソファーをリビングへ運びこみ、ハウスの前へさりげなく置いてみたのです。
するとチョコは、運ばれてきたソファーとテレビに熱中している変わらない私の態度を観察しつつ、5分ほど考えあぐねたようなそぶりを見せたかと思うと、ゆっくりと体を起こしハウスから出て、さも当たり前とでも言わんばかりの態度で、よっこらしょとソファーに寝ころびました。
手足を好きなだけ伸ばして満足げに眠るチョコを横目に、してやったり!と思う反面、お前は女子か!という気持ちも無きにしも非ず。
こんにゃろ人間のメスならとっくに成敗してるところだと思いつつ、世の男性は大変だなあ…と、異性の心情を推し量ってみる休日の午後のひと時でございます。



チョコ写真。
私の大好物ひなあられを見つめるチョコ。
日東のひなあられ(これ以外は不可)が大大大大大大大好物なのですが、季節商品のため年中好きな時に食べられるわけではなく、毎年3月3日までに大量に箱買いして6月ぐらいまで食いつないでいます。
というようなことをいろんな友人に話しても、「まーた、あんたはそんな大げさな」と取り合ってくれなかったのですが、先日とある友人が我が家に来た時、大量に積み上げられたひなあられを見て


「あの話、本当だったんだ…」


と驚いていました。
だから本当だっていったじゃん!

狼?

夫の人は少し前の出張中、犬を飼っていると話すアメリカ人の女性社員に、うちにも犬がいるんだよとチョコの写真を見せたところ


「WAO!狼みたいでなんて可愛い犬なのかしら!」


と言われ、これはなんという種類の犬でどんな性質を持っているのかと熱心に尋ねられたそうです。
アメリカではまだまだ日本犬なんて見る機会も少ないだろうから何犬なのか分からないのは当然として、狼って確か



(こんなの?)



こ、怖っ!
こんなに鼻の頭に皺よせちゃって、後のドモホルンリンクル代がとっても大変そうな怒り具合です。
ちなみにうちの狼犬は



 マリオカートごっこを強要され中のチョコ先生)



こんな感じ。
まあ確かによく注意して目の怒り具合だけ見ていると「コノヤロウ、由緒正しい狼の血をひくチョコになんてことを」とか言っているように見えなくもないような…?


そんな温厚というか我慢強いチョコですが、口をパックリ開けて検診してみると、ニョキニョキと鋭い牙が生えていますし、手ぐるみを使って遊んだりしていると、分厚い綿布の上からとはいえ十二分に感じる鋭い歯の感触と、顔を左右に振って食いついた物を引きちぎろうとする為にやる動作の最適さ加減には時々恐怖を感じ、やはり根っこは獣なんだなあと思う事もあります。
とはいえ今は立派な犬という生き物、どこをどう見ても狼には見えないよ、あっはっは!と、夫の人の話にひとしきり笑った後ネットで検索してみるとこんな画像が



 (狼)      (チョコ)



うーん、やっぱり似てるのかな。

食欲

ikuko22011-02-28

大学の同級生に2歳年上のジャンク食品好きの男がいるのですが、彼が30歳になった頃(つまり私が17歳であり28歳でもあった時代ですね)


「年を食うと食欲が落ちて、若い時ほど脂っこいものが食べられなくなった」


とよく言っていました。
そういえば彼があれほどこよなく愛していたコンソメ味のポテトチップスも、ローソンのからあげ君も、いつの間にか彼の家から姿を消し、ふるまわれた夕飯の献立はメイン料理が白身魚の刺身へと変化していたのに驚いたと同時に、そんなダイエットの神様のお告げがいつになったら私にも訪れるのだろうかと、どんよりしたことを覚えています。
それから月日は流れ、2011年の今日。
ちょっとした行き違いで、8個もの美味しいと評判のケーキと、色とりどりの洋菓子が詰められたでかい菓子折り、さらに高級チョコレートの詰め合わせ2箱が、「おい、そこの者、我らの賞味期限は近日だぞ!」と各々叫びながら冷蔵庫を占拠して私を脅しています。
どれもおいしそうだなあ、全部食べたい!と目移りしながらも、さすがにこの老体ではとても食いきれないどうしよう…と途方にくれております。


美味しそうな匂いを嗅ぎつけたチョコが後ろで


「イクコさん、是非ともお手伝いさせていただきますよ!」


とでもいわんばかりに興奮して暴れているのを無視しつつ、5年前ならなあ余裕でこれぐらい美味しく食っちゃうのに、むぅ…と、遅ればせながら訪れたダイエットの神様のお告げを呪わずにはいられません。
人生思うようにはいかないですね。



チョコ写真。
やる気がない時の決めポーズ「THE横座り」をするチョコ。
ケーキくれくれ!と一通り暴れた後、やっぱりくれないとわかって非常にお怒りのようです。
私がケーキを食べている間中、ジトーとこっちを睨んでいました。

4WD

お願いチョコ

チョコを初めて見た人は必ず


「思ったより大きいね!」


と驚きます。
おそらく日頃目にしている柴犬よりずっと大きいことに驚いているのでしょうが、どれぐらい大きいかってチョコをよく知っている人がしばらくぶりに再会した時、毎回


「あれ?チョコ太った?」


と大きさの変動を疑うほど大きいのです。



しかし飼い主から言わせてもらうと、チョコは決して太ってはいないし、体にしても標準よりはやや大きめではありますが、それよりは足の長さの方がずっと標準からかけ離れているように思います。
それを私は「うちの犬は車高が高い」と言い表すのですが、床に寝転んでチョコを見上げてみると、そのドーリア式の4本足は天高くそびえ立ち、支えているでかいケツと小さい頭の小さい目からは無愛想な視線がまき散らされ相当な威圧感を感じます。
小さき者ならば相当なプレッシャーを感じるだろう事を想像すると、チョコがチワワやダックスフント接触を試みると逃げられてしまうのも納得です。



チョコ写真。
友達から頂いたチョコレートを自慢されるチョコ。
頂戴頂戴とお座りをしてチョコレートに熱い視線を送り続けるチョコに


「だめー、だってチョコはチョコレート食べたら共食いになるから食べられないんだよ〜ん」


と、理不尽な理由を突き付け、私は知らん顔でぱくぱく。
チョコは最後の1個がなくなるまで座り続けていましたが、それもなくなるとしょんぼりしながらハウスに入ってしまいました。
そんなチョコの姿を見て夫の人は「チョコがかわいそうじゃないか!」と非難しましたが、私が「甘いもの食べると辛い物が食べたくなるよね」と軽くスルーしつつおにぎりせんべいの袋を開けた途端、ハウスから飛び出て猛ダッシュで駆け寄り今度はせんべい欲しいと懇願する黒い獣の姿に唖然としていました。
ニヤリと笑みを浮かべつつ


「女子の演技力を見抜けぬとはまだまだじゃの」


おにぎりせんべいをバリバリ食べる私の言葉に、今度は夫の人がしょんぼりしたのは言うまでもありません。

がびょーんという擬音を出来事で表すと

がびょーんチョコ

家人がみんな出払っている時、チョコは玄関からリビングへと伸びる約3mの廊下に、お気に入りのベッドと色とりどりの玩具に囲まれいつも留守番をしています。
留守番スペースは常に電気を付けっぱなし(夏ならクーラーも付けっぱなし)にしているという非エコな環境なため、帰って来てまず目にするのは、二足歩行で歓迎の舞を踊るチョコか、寝ぼけ眼で腰をツイストするチョコか、おもちゃを口に咥えながらグルルルル…ウゴゴゴゴォと唸るチョコのいずれかで、つまるところ我が家に帰った人間がまず目にするのは帰宅を歓迎するいずれかのチョコというわけなのです。

今日も近所のスーパーから帰宅した私がまず目にしたのは勿論チョコだったわけですが、夕刻の薄暗くなりかけた外から明るい家の中に入り、ただいまと声をかけながらチョコを見るとおかしな顔に変形しているのです。
顎がパックリと開きっぱなしになって、顔の面積は倍ほどにもなっています。
その姿に思わず


「チョコッ!?どうしたんっ!その顔っ!!!」


と、半ば叫ぶような声でスーパーの袋を放り出し、慌ててチョコに駆け寄ると、次の瞬間



ドスッ、ゴン、ゴロゴロゴロ



みたいな音がすぐ足元でしました。
驚いて見てみると、それはチョコに玩具として与えていた硬式野球ボールで、それをどストライクな角度で咥えていたため顎がパックリ開いて見えただけだったのです。
緊迫した空気の中、廊下の果て目指してコロコロと平和に転がり続けるボールを見つめながら、人はこうやって加齢とともにとぼけた脳みそになっていくのだろうかと、母ヨシコを思い出さずにはいられない出来事でした。



チョコ写真。
ボールと同化するチョコ。
この口元や胸の白い毛の部分と、白いボールがうまい具合にフュージョンしてました。
薄暗い外から明るい部屋にいきなり入ったから目が慣れてなかっただけだと思いたいところですが、最近占屋さんの看板の「占」の文字を見て、何の疑問も持たずに


「なんでうちの近所にトロ屋があるんだ、っていうかトロ限定のお店ってなんだ…?」


と、かなりの時間を世に存在しないトロ屋についての思索に費やしてしまった事を思い出すと、ヨシコから受け継いでいる遺伝病が発病したと考えるほうが自然かもしれません。

散歩も読書も妄想も飽きた時は

たいてい地元のテレビを観賞して過ごしています。
中でも料理番組は言葉が全くわからない私でも何をしているのかが一目瞭然なのでよく見ています。
アメリカでは1日中料理番組ばかり放送しているフードチャンネルというものがあって、簡単料理から手の込んだ料理まで、色んな国の色んな料理を色んな料理研究家の人たちがやっています。
お陰で1日中見ていても飽きません。
日本の料理番組とはもちろん違うところが多く、どの番組を見ても驚きとカルチャーショックの連続ですが、最初にびっくりしたのが食材を包丁で切る時に猫の手にしない事。
日本ではまいんちゃんだって「包丁を使う時は猫の手でね!」って言ってるぐらいなのに…と思いながら鑑賞しているのですが、軽妙な包丁捌きを見る度に、いつかザックリいきやしないかと毎回冷や冷やしながら鑑賞しています。
それから調味料などを投下する時は入れ物から直接ダイブさせるのにもおったまげます。
日本の料理番組だと、他人事ながら後の洗い物が大変だなあと心配になってしまうほど小さな器に調味料類をいちいちひとつずつ入れて用意しますが、さすが大国USAは違います。
缶詰のチョコレートをバサー、瓶詰めのマヨネーズをドサー、卵も別の器に割りいれたりせずコンコン、ジャボッ!と直接ダーイブ!みたいな感じで鍋やボールにどんどん放り込みます。
軽量スプーンだのカップだのはほとんど使用される事はありません(でも何故かキッチンにはちゃんと常備されている)
そしてさらに驚きなのが、ひとつ調味料を入れてかき回すたびに「なんちゃらスメル」だの「ummmmmmm、グッドなんちゃら」だの言って自分の料理を褒め称える事。
私がカウントしたところ30分番組(3つの料理を作成)で、50回は軽く自画自賛してました。
あれぐらい自信満々にニコニコしながら「美味しいのよ〜、美味しいに決まってるのよ〜、ほーら美味しそうでしょう?どう?どう!」と迫られると、なんだか今日の夕飯は昨日の残りの肉と豆腐と水菜をどうしようか、肉豆腐にするか、それとも野菜を買い足して野菜炒めにしようか、それだと水菜も豆腐もあぶれるなあ、だいたいお米炊いてないからウドンとかにしたいんだよねえ…、なんて事で悩んでいるのが馬鹿馬鹿しくなってくるほどです。
美味しければいいのYO! you!食べたいものを作っちゃいなYO!といったオーラが画面から出まくりです。
仕上げは出来上がったばかりの料理をキッチンで立ち食いし、半分叫びだしそうな口調で「やみー!ぐー!」などとほめ祭りをして終了という、日本では考えられないスタイルにすっかり夢中です。

分量のレシピをテロップでやってくれないのでひたすら番組を見ながらメモるしかないとか、パスタを茹で上げてからソースや付け合せを作り始める姿にアルデンテはどうしたと思ったりとか、コーンにスパイスと調味料を混ぜただけの料理をそんな自信満々に披露してよいものかとか、突っ込みどころは多々ありますが、日本にはないポジティブ加減が見ていて楽しいので、こういう感じの料理番組が日本にもあったら良いのになあと思います。



ちなみに日本でも最近「毎日がイタリアン」というタイトルで、アメリカでも人気の料理番組をNHKが吹き替えで放送しています。
私はいつも録画してまで見ていたのですが、何の疑いもなくイタリアンなんだからイタリアの料理番組なんだな、イタリア人は料理番組も陽気だなあと思っていました。
アメリカに来て番組が放送されているのを見つけた時も「アメリカでも毎日がイタリアンやってるんだ、人気なんだなあ」と思っていたら、なんとジャーダ(毎日がイタリアン料理研究家)が英語を話しているではないですか。
あんなにイタリアン万歳なことばっかり言うからてっきりイタリア人だと思っていたのに、まさかアメリカンだとは。
これからはジャーダを見る目が微妙に変化してしまいそうです。

鬼の居ぬ間のいい犬

海外滞在中は、またしてもチョコの面倒を近所に住む友達が住み込みで見てくれているのですが、友達はとても優しいのでチョコが増長してわがままを言っていやしないかといつも心配になります。
毎日なるべく欠かさずメールをやりとりして、チョコの近況を把握しているのですが、昨日の友達からのメールによると


>でもチョコもちゃんとやってくれます。
>居間でくつろいでいても、私がコートを着て
>外出する準備をするとすっと廊下(チョコの留守番中の居場所)に戻ってくれるんで助かります。


って、私と一緒の時より聞き分けがいいじゃない!?


私が外出する時なんて呼んでも聞こえない振りをしたり寝たふりをしたりと、ありとあらゆる手を使ってグズグズするくせに、なんですかこの良い犬ぶりは。
帰ったら誰がボスかという事を知らしめるためにも、肉球コチョコチョの刑にしてやろうと思います。



チョコ日記。
肉球コチョコチョといえば、犬猫を飼っている人なら誰でも一度や二度はやった事があると思うのですが、どうでしょう?
ちなみにチョコは前足より後ろ足の方が敏感なようです。
前足をコチョコチョすると何とか堪えて平気そうな顔をするのですが(そのやせ我慢振りがまた面白いのでついついやってしまうのですが)後ろ足は堪えかねるらしく、やるとすぐに足を引っ込めてしまいます。
それでもしつこく追尾してコチョコチョするとカンガルーキックで反撃されるので、後ろ足をコチョコチョするときは常に中腰で挑まねばなりません。