犬日記

役に立つことは書かれていない日記

怪しい人ですぜ、ボス!

ikuko22004-04-15

どうやらチョコは散歩は自分の仕事と思っているらしく、一歩外へ出ると途端に表情が一変し、目を細めいぶかしげなブスッとした表情になります。
家での甘えモードは失せ、尻尾をピンと張り、耳を澄ませ、少しでも怪しい音が鳴るとそちらを警戒しジッと見ています。
これは遊び場の公園でも同じで、元々警戒心が強い性格も相まってか、他の犬達が楽しそうにじゃれ合ったり、他の飼い主さんや公園で遊ぶ子供らに撫でられ腹をも見せて喜んでいる間も、チョコは仁王立ちで辺りの様子を窺がっているのです。
勿論チョコも他の犬たちと遊んだり、色んな人に撫でられたりはするのですが、愛想が無いと言うか、今は仕事中だと思っているせいか、義理程度に頭を差し出したかと思うと、またフイと別の方を向き警戒モードに戻ってしまいます。
散歩を始めて間もない頃は、単に愛想のない犬なのだろうかと思っていたのですが、どうやらそれらの行動は仕事中(と思っている)のチョコにとっては愛想を振り撒くよりも大事な事のようです。
昨日の事ですが、いつものように公園へチョコを連れて行くと、仲の良いハーツ(コーギー)やハナちゃん(黒柴)を発見し、早速戯れ始めたのですが、興奮も絶頂になり我をも忘れ遊んでいたと思ったら、急に動きが止まり私の後ろへタタッと小走りに駆けて行きました。
楽しそうに遊んでいたのに急にどうしたのだろうかと、そちらの方へ振り向くと、ひと目でちょいと怪しげな、挙動不審気味の男がジーッとこっちを見ていたのです。
どうやら公園内をジョギングしているようですが、それにしては挙動が怪しいし、声をかけてくるわけでもなく3mの至近距離で立ち止まり、犬連れの女性3人をジッと見ているのですから、誰が見たって怪しさ爆発です。
見た瞬間、「うわ、怪しげなやっちゃなあ」と思ったのですが、それよりも先に公園中に響く大きな声で



ワンッ、ワンッ!ワンワンワンワンワンッ!!!



と、チョコが吼えたのです。
今まで公園にいる人に吼えた事なんて1度もないチョコが、その人に向かって、明らかに警戒しているというより「怪しい奴がいますぜ、ボス!」とでも言うように。
まだ日も明るい夕方の大勢の人がいる公園だったので、慌てて「すみません」とその人には謝りましたが、その人は一言もしゃべらず小走りに走り去っていきました。
チョコはといいますと、その人がかなり遠くへ行くまでずっと吼え続けて、遠くへ行ってからもジッと行動を監視しているようでした。
ハーツのお母さんも、ハナちゃんのお母さんも、彼が遠くへ去った事を確認した後、「そりゃ吼えたくもなるよねえ、怪しいもん」とあまり大きな声では言えないけどねといった感じで笑い、私もまた失礼かもしれないけどそりゃ怪しいもんなあと思いました。
それまで私は他の犬たちを見ていつも、チョコももうちょっと愛想よく愛情表現してくれたらなあと思い、うらやましく感じることもあったのですが、チョコにはチョコの良さがあるんだなと再認識し、そんな気持ちは失せてしまいました。
外ではどれだけ暑くとも舌を出さず、どれだけ疲れてもフセもせず、いつもキリッとオスワリをしているくせに、家ではお腹を見せてべろべろと私たちの服を舐めながら甘えてくるチョコを、例え親馬鹿といわれようとも今ではとても自慢に思っています。



チョコ写真。
私の部屋で私に抱かれるチョコ。
座っているのはパソコンデスクの椅子で、いつも座って原稿を書いていると鼻でツンツンとつっついてき私を呼びます。
「チョコ、なーに?」と椅子を回転させチョコの方へ足を向けると、膝にピョンと前足で飛び乗ってきて「膝の上に座らせてー」とねだってきます。
チョコを抱えながらの仕事はなかなか大変です。