犬日記

役に立つことは書かれていない日記

自分をみつけるという事。

ikuko22012-07-24

インドアを愛してやまないためか、はたまた人生を適当に消費しすぎているためなのか。
海よりも深く思い悩み、知恵熱が出るほど考えあぐねようとも、常に最終結論が


「…面倒くさくなってきたし、まあいいやこの辺で」


な私は、時々巷で耳にする「自分探しの旅」なるものがよく理解できません。
誰しも30年以上もの歳月を自分と付き合っていると、それなりの数の自分マテリアルが手元にストックされるわけで、ものぐさな私にとってはそれすらも整理しきれなくて持て余している状況だというのに、新たな土地に赴き、その上伝説のマテリアルを見つけ出しさらなる人生の豊かさを追及しようだなんて、その大変さをちらっと想像しただけでも3日ずつ寿命が縮みそうです。


そんなわけでここ数年、あっちこっちとよその国をほっつき歩いてはみたものの、新しい自分というものには出会えないでいた私ですが、先日チリにてとうとう出会ってしまいました。
それは首都サンディアゴから北へ飛行機でおよそ2時間飛んだ場所にあるカラマという土地に滞在中の事、部屋で本を読んでいると妙に脛のあたりが痒いので考えなしにボリボリと掻いていると掻けば掻くほど一層痒みが強くなり、しまいには痒みで夜中に目が覚めるほど。


(おかしいな真冬のチリに蚊なんていないだろうし、っていうかこの痒さ蚊に刺されたのと違ってなんだか皮膚の2、3枚めくったあたりがピリピリチリチリと痛痒い、なんだろうこれ…)


経験したことないあまりの痒みに不安になり、夫の人に病気にでもかかったかなと相談してみたところ、


「それ、乾燥のせいじゃないかな、ここは湿度0パーセントらしいから」


と、ホテルに備え付けてあるボディークリームを塗るよう指示されたので、生まれて初めてそれなるものを塗ってみたところ、痒みはあっという間に治まりました。イッツアミラクル。
「女の人ってそういった類のスキンケアっていうのを普通はしているものと思ってたけどね、いい歳なんだからそれぐらいちゃんとやらないと」とでもいっているような夫の人の眼差しを受けつつ、私の脳裏には、風呂上がり足にクリームを塗る女性が映ったドラマのシーンや、ドラッグストアで何に使うか不思議に思っていた尿素入りのクリーム、夜中に足が痒くなって大変といったCM等が次々と思い出されました。
誰も教えてくれなかったからあれらの意味が今までわからなかったけれど、日本ではありえない強烈に乾燥したチリの大地(と加齢)が新しい私の一面を発見させてくれたのだなと思うと、自分探しの旅って案外意義のある事なのではないかと考えを改めさせられました。
ただし、苦労して行きついた先で見つけたものが「加齢による乾燥」だとしても、がっかりしない人に限りだとは思いますが。



チョコ写真。
近所の公園を散歩中、桜の木の下で撮影されるある春の日のチョコ。
満開の桜もきれいですが、私は地面が散った花びらで埋め尽くされている時が一番好きです。
チョコも風に吹かれた花びらを追いかけて楽しそうなので、私と同じ意見だと思われます。